エジプトの古代都市遺跡アビドスには幾つかの遺跡があるが、中でも有名なのは、ラムセス二世の父親・セティ一世(BC1300年頃)の葬祭殿である。
(※左の写真がセティ一世の葬祭殿)
塔門は残念ながら破壊されて遺っていないが、葬祭殿そのものの保存状態は良好で、内部の見学も可能らしい。
日本からも毎年多くの観光客が訪れている人気の観光スポットである。
1997年、葬祭殿を見学しに来ていたブルース・ローレスという研究家は、
セティ一世の葬祭殿の一角に、不思議なものが描かれているのを発見して驚いた。
そこには、まるで現代のヘリコプターや戦車、そして、戦闘機のような飛行物体が描かれていたのだ。
その後、ブルース・ローレスが撮影した写真がインターネットとアメリカのテレビを通じて紹介され、世界中を驚かせた。
「BC1300年にそのような乗り物が存在するはずはない。」と、頭ではわかっていても、
現代の乗り物にしか見えない古代のヒエログリフに驚いた人は多いのではないのだろうか。
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A:戦車
(潜水艦とも) |
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B:戦闘機
(UFOとも) |
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C:ヘリコプター |
以来、これらのヒエログリフは「オーパーツ」と呼ばれるようになり、現在でも世界中のオーパーツ・ファンの注目を集めている。
セティ一世の葬祭殿は、現在は『オーパーツのある神殿』としても有名らしい。 (※ヒエログリフ=@古代エジプト文字の書体のひとつ。人・鳥・獣などを絵として表した象形文字で、神殿・墓・ピラミッドなどに使用された。Aエジプト文字の総称)
問題のヒエログリフは、セティ一世の神殿を入ってすぐの天井のそば。梁の部分に彫られている。(下の写真)

↑を正面から写した写真が↓

初めてこのオーパーツを知った時の私の感想は、
「こんな不思議なことがあっていいのか??!」だった。
すごい発見だと思った。誰かに言いたくて仕方がなかった。
「とうとう本物のオーパーツが出てきたのかも。先史文明が存在した証拠なのかも」
と、何の情報もないうちからすでに確信に近い期待を持っていた。しかしその根拠はというと、
「ヘリコプターにしか見えないから」
「戦車にしか見えないから」
「飛行物体(以下略)」
「『そう見える』のが一個ならマグレだと思うけど、三個もあるから」・・・これだけだった。
「そう見えるモノが三個あるから本物だ」・・・今考えるとアホみたいな理屈だ。
でも、当時は普通にそう思っていた。
とくに、UFOのように見える飛行物体らしきあの形なんて絶妙だと思う。
あの形は、どう見ても飛行物体である。
疑いようがないんである。
たとえあんな形のUFOや戦闘機を実際に見たことはないにしてもだ。
描かれている乗り物がみんな同じ方向を向いているところも素晴らしい。
「なにかの法則に従って人が描いたものに違いない。乗り物のカタログかも・・・」
我ながら、同情したくなるほど貧弱な発想力。
ザ・ビリーバー、「思い込む」と「確信を得る」を履き違えてなお気付かず
おまけに、乗り物であることを前提としたことしか考えず、乗り物でないという可能性については考えもしなかった。
「他のものである可能性など考えられない。」と、アッサリ結論付けて完全に思考停止してしまった。
「他の可能性を考えられない」のは、「考えるだけの知識がない」からだなんて思いもしなかった。
早い話が、自分がアホなことにも気付かないほどアホだったんです。
そういえば、これと似た理由で「あの○○だけは説明がつかない」といわれるものは、
問答無用で超のつく現象と関連付けて信じたがっていた頃もあった。
今考えると、すぐに結論に走りたがるタイプ。精神的に幼かったのだ。
前振りが長くなりましたが、ボチボチ真相にいきましょう。

まず、このヒエログリフは、
本当にただのヒエログリフ(文字)である。
海外には、ちゃんと専門家が解説してくれているサイトがあり、
そこではこのように説明されていた。
(※このページの下にある写真引用元のサイトに説明があります)
「実は、このヒエログリフは、
現在わかっているだけでも2回書き直しがされており、
古い文字と新しく書かれた文字が部分的に重なってしまっている箇所がある。
さらに、自然の侵食で欠けてしまった文字もあるため、それらの影響で
偶然に薄気味悪いほど似た形が作られてしまったのだ。」
右の写真の赤い部分と水色の部分が問題の箇所である。
このように、新しい部分と古い部分がくっついて
一つの形に見えているだけらしい。
でも、本当だろうか?
そもそもヒエログリフにはどんな形があるのだろう?
文字自体を知らないので、すぐに「おー!そうだったのか!」とは思えなかった。
それを確かめるために、ヒエログリフの読み書きを解説しているページで実際に調べてみた。
すると、潜水艦の部分はたしかに「d ドゥ」という文字だということがわかった。
UFOの下の部分は、「k ク」という文字だというのもハッキリわかる。
「t トゥ」は、潜水艦の横の鳥の足の部分と重なっているのがわかる。その他にも当てはまるものがある。




本当にリライト部分が重なっていたのだ。
私はヒエログリフなんて勉強したことがない素人だが、自分で調べてみて納得がいった。
「おー!そうだったのか!」と、思うことができた。
それと同時に、「ヒエログリフが侵食で欠けたなんて、そんな説明で片付けられるものではない」
なんて言っているトンデモ屋さんが、いかに何も調べずに反論しているのかもよくわかった。
多分、説明を受け入れることが出来なくて突っぱねているだけなのだ。
「そう見える」って根拠しかないのに、往生際の悪さは人一倍である。まったくフェアじゃない。

以前、海外のあるUFOサイトが、アビドスのオーパーツについて、50人の学者や研究者にメールで「これは何ですか?」と質問した回答を掲載していた。
妄信せずに質問する方も、真摯に回答する方も、両方偉いなあと思った。
(最近行ったら残念なことに閉鎖されていたが)
その回答の中で、ある学者がこう言っていた。
「一般の人はヒエログリフに馴染みがないので、そこにヘリコプターが見えるのでしょう。でも、私たちはそれを文字としてよく知っているので普通に読んでしまう。ヘリコプターに見えるなんて、逆に想像もつかないのです。」
(※左の画像は、一つ一つバラバラにして解説した図)
アビドスのヒエログリフを解説しているサイトには、こんなかんじのことも書かれていた。
「仮に、これらのマシンが当時すでに使われていたとしましょう。
これらのマシンを動かすには整備が必要ですし、
そのための施設も必要となるはずですが、
そのようなものが一つでも見つかっていますか?」
そうなんである。
飛行機系オーパーツの場合、全部についてこれがいえる。
「どうして滑走路が見つからないの?」
「燃料は何だったの?何をどうやって精製していたの?まさか…石油??」
「工場は?どうやって機体を作ったの?どんな道具を使って作ったの?」
「飛行機が作れるほど高度な文明なのに、なぜもっと単純に作れる他の機械が見つかっていないの?」
それになにより、本当にあの時代にそんな技術を持っていたのなら、
世界はとっくにエジプトに征服されているんじゃないの?
アビドスのヒエログリフは、誰かが捏造したわけでもないし、無理やりなこじつけで騒がれたわけでもない。
何も説明されずとも一目見ただけで、誰もが「不思議」に胸躍らせるような、
本当に、うっとりするほど「オーパーツらしいオーパーツ」であった。
でも、やっぱり違うものは違うのだ。潔く認めよう。
今回も勘違い系オーパーツを供養することが出来た。おかげでヒエログリフについても少し勉強できた。
梁に彫られたヒエログリフよ、セティ一世と共に成仏しろよ。合掌。
ヒエログリフが楽しく学べるお薦めのサイト↓
Egyptian
Hieroglyph Room http://www.hieroglyph.info/
ヒエログリフ読み書き講座 http://www.ne.jp/asahi/wonder-island/wahhahha/timespace/hiero/
写真・画像引用元: http://www.enigmas.orgl http://www.catchpenny.org
http://www.finart.be/UfocomHq/
(閉鎖)