1967年、ウズベキスタンのフェルガナ地方で発見されたこの岩絵は、紀元前2000年頃に描かれたものであるといわれている。
そこには、口や鼻が焼けただれたようなヘルメットをかぶった人物らしきものが描かれており、正確なスケッチで、マイクらしい器具とコードやレシーバーも明確に描かれているといわれ、当時話題になった。
私が子供の頃に見たのは、左のような画像(パイロットの顔のみ)だったと記憶しているのだが、この絵の全体像は実際は下のようなもので、それを見るとパイロットらしき人物だけではなく、UFOらしきものや、宇宙人らしき別の人物も描かれている。
アメリカのUFO研究家ボブ・ディーンによると、この人物は宇宙服を着て円盤型の通信機を手に持っているという。
また、絵の中央にヘルメットから2本のアンテナを突き出した小さい人物が立っており、後ろではUFOから噴射した煙が立ち上っている。
太古の絵にはとても思えないUFO遭遇を思わせるこの岩絵は、古代の人々がUFOと宇宙人に遭遇した際にそれを描き記したものであるといわれ、1968年、ドイツでベストセラーになったエーリッヒ・フォン・デニケンの著書『神々の戦車』でも取り上げられて有名になった。
パレンケ遺跡のパイロット彫絵と同様に、デニケンの「古代の宇宙飛行士」説の論拠のひとつとしてよく持ち出された岩絵である。
最近はあまり取り上げられていないっぽいコレ、
私と同年代の方々には懐かしい絵なんじゃないしょうか?
とりあえず、昔は全体像を知らなかったので、よく観察するために
宇宙人とかUFOとかいわれてる部分をアップにしてみたんですが、
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笑い殺す気か!と。
これは愉快、いや、胡散臭いにもほどがある
というわけで、
俄然やる気が出て、思いつく限りの言葉で検索してみることに・・・
すると、この絵については、2000年2月、フランスのUFO研究雑誌“Lumières dans la Nuit
(夜の灯り)”の335号の中で、すでに真相が明かされていたことがわかった。
その雑誌の記者・ディディエ・ルルー氏が、この壁画の原画を発見したというのだ。
記事によると、その原画は、
1967年、ロシアの雑誌“スプートニク”の特集記事:
「12000年前の古代の地球に宇宙飛行士が訪れていた!」に、イメージ画として添えられたイラストであり、それを模して洞窟に捏造絵画を描いたのは、当然、古代人などではなく、現代人のロシアの芸術家であるという。
もともと、この洞窟の壁画は、描かれたとされる年代も曖昧で、紀元前2000年と説明されたかと思えば、ぐんと遡って紀元前10000年になっていたり、チョットだけ戻って紀元前7000年になったり、その時によってバラバラで信憑性にかける代物だったのだが、当時の
“スプートニク”の記事は、「ウズベキスタンのフェラガナ洞窟に描かれた絵の特徴をみると、有史以前の古代人が未知の何者かに遭遇し、その様子を洞窟に描き記したのだと考えられる」と、もっともらしく伝えていた。
また、この原画が掲載された“スプートニク”には、エーリッヒ・フォン・デニケンの“神の戦車”が一緒に掲載されていた。(下が“スプートニク”に掲載されていた原画)

結局、デニケンの説に耽溺した一人の絵描きが
架空の宇宙人来訪説を事実だと大衆に信じさせるために
本の内容と合うように、フェラガナ洞窟に岩絵を捏造した
というのが真相だったのである。
「あの岩絵が存在するのが宇宙人来訪の証拠」とさえいわれてきたが、なんとも子供だましな方法で騙されていたものだ。※ちなみに、この絵の左上に書かれている作者のVyacheslav
Zaitsev氏 は、今も元気に創作活動をされているようです。
1960年代、“スプートニク”は、アメリカの“リーダース・ダイジェスト”のような雑誌のひとつで、様々な言語に翻訳され出版されていた。当時、UFO関連の情報を載せている数少ない出版物のひとつで、入手している人も少なかったという。そのおかげでこれまで発覚を逃れてきたのかもしれない。(左上が問題の記事が掲載されていた“スプートニク”の表紙)
ところで、この洞窟の絵、改めて原画と比べてみると、驚くほど忠実に原画を拡大して洞窟に再現しているのがわかる。こんなにピッタリ同じに描くとかえって怪しまれそうなもんですが。
ためしに比べてみたのでご覧ください。
フランスではこの捏造話は有名なようで、取り上げているサイトも数多くあり、ネットでちょっと掘ればたくさん出てくる。しかし、英語圏のサイトや日本語のサイトではほとんど情報がなく、「不思議だ」「不思議だ」と、相も変わらずオーパーツとして紹介しているところがまだあって滑稽な気分にさせられる。
もうね、こういうタチの悪いイタズラは、日本のテレビでも取り上げてほしいなーと、つくづく思いますですよ。
しかし、このフランス人記者のおかげで、またインチキ捏造オーパーツのひとつが供養されたのだ。
迷わず成仏しろよ、洞窟の落書き。 合掌。
※写真・資料引用元: http://www.martinkeitel.net/ http://www.alcione.org/ http://rr0.org/ http://www.channel4.com http://ufologie.net/ http://www.dexigner.com/