
1961年2月13日
―
アメリカ カルフォルニア州オランチャあるコソ山脈で、鉱石収集家たちが晶洞石発見した。それを半分に割ったところ、中から直径約2センチほどの『機械』のような
<加工物>が現れたのだ。
中心に2ミリの金属の軸が通ったセラミック製のその化合物は、化石化した六角形の木製の筒に包まれていた。その化合物は自動車用の点火プラグによく似ていたために、『古代の点火プラグ』ではないかと言われ、X線による検査をすることになった。
写真右がその時のX線写真である。
これを見ると、確かにこれが化合物であることが確認できる。
検査をした結果、化合物に付着していた貝の化石から、この化合物は50万年以上も前の物で、しかも、人の手によって作られたことは間違いないとの判定が出たのだ!
ということは、50万年も前にすでにこのような化合物を作れたということか?!
それとも、古代に地球を訪れていたといわれる宇宙人が捨てていったものなのか?!
謎が深まりゆく中、この化合物は、発見場所にちなみ<コソ加工物>と命名された。
<コソ化合物>については、現物は行方不明になっているため、写真でしか見ることができない。
コソ化合物か。これについての私の第一印象は、「あーぁ、地味」、「ガラクタやん」というものだった。
そう見えるんだから仕方がない。
この写真全体から漂ってくる「なんか違うムード」に独特なダメさを感じるのは、私だけじゃないと思う。
やはり見た目の「オーパーツらしさ」というのは、それを期待する者にとっては重要な要素なのかもしれない。
ということで、当資料室では面倒でも写真を使うよう心がけている次第である。(文才がないせいもあるが)やっぱり見たいもんなぁ〜。
で、結論から言おう。 実は、<コソ化合物>は、正真正銘、本物の点火プラグだったのだ。
「えぇー!じゃあ、オーパーツじゃん!!」って? まぁまぁ、続きを聞きなされ。
この加工物の調査を行おうとしていたP.ストロンバーグとP.ハインリヒという二人の人物がいたのだが、<コソ化合物>の現物はすでに行方不明になった後だったため、二人は仕方なく、<コソ化合物>に似ている点火プラグに目をつけ、点火プラグに詳しい点火プラグオタク(?)4人に手紙を出し、それぞれの見解を聞いてみることにした。
手紙を送ってからしばらくして彼らからの回答が送られてきたのだが、それらには示し合わせたように同じ回答が書かれていた。
「これは、チャンピオン社が1920年代に製造していた点火プラグに間違いありません」
...シャレのようだが、本当に点火プラグだったのである。 さすがはオタク。TVチャンピオンみたいである。いや、あっぱれ。
ここで「じゃ、最初の50万年前ってふれこみはどっから出てきたんだ?」という疑問がわいてくるのだが、まず、<コソ加工物>は、最初から一度もきちんとした専門家の鑑定を受けていなかったのだ。
科学的鑑定ということで、出所が不明なまま鑑定結果だけが一人歩きしている物が多いが、これもその内の一つである。 <コソ化合物>で注目されている50万年前という判定は、発見者の一人が「匿名の地質学者からそう言われた」と語っていただけである。その「話」が噂となって流布されたにすぎない。
はじめにX線検査をしたというのも、妖しげな物質を調査・研究している『チャールズ・フォート協会』という所である。これについても専門的な検査を受けたとは言い難い。さらに<コソ加工物>が発見された石は晶洞石だということだが、晶洞石の特徴とされるものがまったく見られないとのことで、結果から言って、単に泥の固まったものだったらしいのだ。
よって
<コソ化合物>は、謎の古代加工物などではなく、単に1920年代にチャンピオン社で製造された、ごく普通の点火プラグであり、たまたまその一つが泥の中に落ちたか、ぬかるんだ場所に捨てられたかして、泥が付着したまま固まっただけのゴミもしくは廃棄物だったのだ。
オーパーツ扱いして有り難がってると恥をかきそうです。 気をつけましょう。
<コソ化合物> その正体は、勘違い系オーパーツの中でも最低の位置に当たるであろう現代文明のゴミであった。
空しすぎて怒る気にもなれん。
しかし、これでまた一つ勘違いされたオーパーツが供養されたのだ。 迷わず成仏しろよ。 合掌。
※青リンク元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
※写真: Mystery
From The Depths of Time http://www.ramtops.co.uk/